尿酸値 | 7.0㎎/dl以上 |
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高尿酸血症(痛風)は、日本では1960年以前にはほとんどない病でした。食事の欧米化やアルコール摂取量の増加などに伴い、現在患者は増え続けており、発症年齢も若年化してきています。
まず痛風とは、尿酸が体内に溜まり、それが結晶になって激しい関節炎を伴う病気のことです。尿酸値が高いまま放置すると激しい関節の痛みを繰り返したり、身体中のあちこちに結節を結成したり、腎機能悪化につながる重大な病気でもあります。
痛風が起きる前に血液中の尿酸値が高い状態が続くことを高尿酸血症と言います。
高尿酸血症を放置すると、ある日突然、足の親指の付け根などの関節が赤く腫れて痛みが出ます。
その痛みは激烈で、耐えがたいほどの痛みです。
発作的な症状のため、痛風発作と呼びます。
たいていの場合、1週間~10日経過すれば症状が治まり、炎症を抑える薬を服用すると比較的早く治る傾向があります。ただし油断は禁物で、多くの場合は1年以内に同様の発作が起こります。
痛風発作を繰り返すうちに、足首・膝関節まで腫れはじめたり、発作の間隔が短くなります。
腎機能悪化や尿路結石が出来たりする場合もあり、最終的には重度の慢性痛風になる可能性も高いため、放置するのは危険です。
また、高尿酸血症患者は心血管障害や脳血管障害の可能性が高いため、動脈硬化のリスク因子にも注意が必要です。
痛風にかかるのは若年を中心とする男性に多く、遺伝・生活環境両方が起因します。
痛風発作が治まったからと言って安心してはなりません。体内に溜まった尿酸を溶かしだして、痛風発作の再発や合併症を予防する必要があります。
薬物療法は尿酸値のコントロールに大変有効です。
継続的に治療することが必要な疾患であり、患者さま自身の治療への動機づけが何より重要であると考えております。
単に検査値が高いからとお薬を処方するわけではなく、何故治療が必要なのか、生活はどのように気を付ければよいのかを丁寧にご説明し治療を希望される方に対しては薬物療法を開始するようにしています。
一度内服治療が始まったら一生続くと考える人が多くいらっしゃいますが、決してそのようなことはありません。
定期的に治療効果をモニタリングし十分な効果が認められれば、減量や休薬することも可能です