自覚症状がない。しかもそのまま放置してしまうと、心筋梗塞、脳卒中、動脈硬化などの病気を助長し、ある日とつぜん生命を脅かすサイレント・キラー、それが「高血圧」です。
正しい血圧の知識を身につけて、普段からじゅうぶん気をつけることが大切です。
心筋梗塞、脳梗塞、腎不全などの心血管合併症を起こさないために、しっかりとした管理をお勧めします。
高血圧とは?
私たちの血圧は、ちょっとしたこと(からだを動かす、寒さを感じる等)で上昇します。こうした一時的な血圧上昇は、高血圧とは言いません。
高血圧とは、安静状態での血圧が慢性的に正常値よりも高い状態を言います。高血圧になると、血管に常に負担がかかるため、血管の内壁が傷ついたり、柔軟性がなくなって硬くなったりして、動脈硬化を起こしやすくなります。
高血圧を放置すると
高血圧の初期の自覚症状はほとんどありませんが、だからといって高血圧を治療せずに放置したままにしておくと、高い圧力にさらされた血管が次第に傷み、弾力を失って硬くなります。これを「動脈硬化」といいます。
動脈硬化になると、血液の流れが悪くなって血管が詰まったり、血管が破裂して出血したりします。脳や心臓の血管がこのような状態になると、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞など、命にかかわる病気を引き起こす可能性が高くなります。また、腎臓にも悪影響を与えます。
血圧が高いな、と分かったら早めに受診し、治療が必要な高血圧か?原因は何か?を知ることが必要です。
健康診断や何かのついでに血圧を測ってみて高かったりしたら、先ずはご家庭で朝と晩測ってみることを勧めします。
家庭での血圧測定は、適切な降圧治療をするうえで、極めて大切な役割を果たしていますから、必ず続けるよう心がけてください。
家庭で使う血圧計は、精度の面から、指や手首で測るものより、腕に巻いて測定する上腕用をおすすめします。
朝は起床してから1時間以内、夜は就寝前に測定します。
血圧の測定は、それぞれ3回測り、始めの1回目は捨てて、あとの2回を平均するのが一般的です。
血圧計や測定法について、一度は主治医のチェックを受けておく方がよいでしょう。
とくに診察室と家庭での血圧の差が大きい場合はご相談下さい。