血糖値が高くなる病気です。
糖尿病が強く疑われる人1000万人と糖尿病の可能性を否定できない人の1000万人を合わせると、全国に血糖値の異常のある方は2000万人いると推定されています。
このような症状がある方はご相談下さい。
● 喉が渇く
● トイレによく行く
● だるい、疲れやすい
● 足がしびれる
● 食事をとっているのにおなかがすく
● 目がかすんで見えにくい
● 家族や血縁者に糖尿病がいる
上記に1つでも当てはまる場合や、健康診断で血糖値が高いと言われた方は糖尿病の可能性があります。
糖尿病の怖いところは、放っておくと動脈硬化や眼、腎臓、神経に合併症を起こすことです。
まずは簡単な検査で現在の状態を知ることから始めましょう。
では、なぜ健診で高血糖(または糖尿病)を指摘されたら検査・治療を開始しなければならないのでしょう。
それは、特に症状のない場合でも、糖尿病の3大合併症が進行してしまう可能性があるためです。
3大合併症には・・・
糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症などがあります。
《糖尿病網膜症》初期のうちは自覚症状がありません。
ある程度進展すると、目のかすみ、視力障害、眼底出血による突然の視力低下などが起こり、放置すれば失明することもあります。
<原因>
網膜(黒目から入った光が像を結ぶところ)の毛細血管に、高血糖による傷害が起こって出血や虚血を生じ、進展すると眼球の形を保っている硝子体の内部に出血する場合や網膜剥離を起こしてしまいます。
<治療>
初期の段階では血糖を正常にコントロールすることで改善されますので、検診で糖尿病と診断された場合、内科はもちろん定期的に眼科を受診してください。
《糖尿病腎症》
<原因>
初期の段階では無症状です。ある程度まで進展すると軽度の蛋白尿(微量のアルブミン尿)がみられるようになり、悪化するにしたがって尿中の蛋白量が増加していきます。
また、血液をろ過して尿をつくる腎臓の働きもしだいに低下し、腎不全にまで進展すると血液透析による治療が必要になります。
血液透析の原因疾患の第1位は糖尿病性腎症です。
腎症の進展を遅らせることが治療の目標となります。
厳格な血糖コントロールと、血圧を130/80 mmHg未満に管理することが重要です。
<合併症予防のための目標値>
①血糖コントロール
HbA1c < 7.0 %
食前血糖値 < 130 mg/dL
食後血糖値 < 180 mg/dL
※年齢や合併症の程度、使用している薬の種類によって目標値が異なることがあります。
②血圧コントロール
130/80 mmHg以下
③脂質コントロール
LDL-コレステロール < 120mg/dL
HDL-コレステロール ≧ 40mg/dL
中性脂肪 < 150mg/dL
④ 肥満の解消
BMI < 25kg/㎡
※BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)
◆糖尿病の治療の基本は食事療法と運動療法です。
これら2つの治療でも血糖コントロールが不十分な場合は、薬物療法(経口薬と注射薬)を併用しながら良好な血糖コントロールを目指します。
血糖を十分コントロールできれば、糖尿病による合併症の発症や進行を防ぎ、健康な人と変わらない日常生活を送ることができます。